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2025年10月12日日曜日

受けとめ方はあなた次第です ~秋吉理香子『終活中毒』(実業之日本社文庫、2025年)~

こんばんは。南城 凛(みじょう りん)です。
今宵も凛のりんりんらいぶらり~にようこそお越しくださり、ありがとうございます。
お休み前のひとときに、本の話題でごゆっくりとおくつろぎくださいませ。(^-^)

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

お変わりありませんか?
暑かった夏から秋への移行が年々遅くなっています。
体調には気をつけていきたいですね。

いつまでも夏を引きずっていてはいけないことに気づかされる売り場があります。
それは、文具や雑貨店の手帳やカレンダー売り場です。
既に8月の夏真っ盛りの頃から手帳やカレンダーは売り出されてはいますが、これらの在庫が年々早く減っているように感じるのは凛の気のせいかしら?
お気に入りのデザインのものはお早めにゲット!ということでしょうね。(^.^)

暑いからといっていつまでも夏ではないのですねえ。
やはり日本は四季の国。
今年もあと2か月半。
時はどんどん過ぎてゆきます……。
10月に入ると、毎年同じことを感じている凛ですねww (^^;

モノの整理や空間を活かすことの重要性が認識されてからだいぶ経ちます。
そして、「終活」も!
高齢者だけでなく、若い年齢層の方々まで「終活」は浸透してきているようです。

人生100年時代とはいうものの、誰しにも当てはまるかといえば、さにあらず。
こればかりは誰にも予測できないこと。
だからこそ「終活」は大事なのです!

「終活」とは一体誰のためのもの?
自分自身のために、残された家族のために、次世代のために。
管理を徹底して、面倒なことは後回しにせず、後悔のないように。
「今」を生きるこの自身の手ですっきりさせましょう!

などというような強迫観念が蔓延しているかのごとく、、
自己管理と自己責任の重責がどど~っと重くのしかかってくる。
はて、世の中にはおすすめしたくない終活があるのでしょうか?

あなたは「終活」について考えたことはありますか?

今回ご紹介する文庫本は、秋吉理香子(あきよし りかこ)氏の短編小説集『終活中毒』(実業之日本社文庫、2025年)です。
単行本は、2022年7月に同タイトルで実業之日本社より刊行されています。

著者による「終活」をめぐる様々な状況設定に、読者はあらためて自身の人生にあてはめて考えていくことになるでしょう。
ミステリー仕立ての「終活」に、肯定あるいは否定的に捉える方もいらっしゃるかもしれません。

はじめに、この文庫本の入手についてです。
凛が持っている文庫本は、2025年6月15日付けの初版第1刷発行です。

ある日のこと、凛はいつもの近所の書店の文庫本の新刊コーナーで、ハッと目につくタイトルの文庫本を発見しました。
それが『終活中毒』というタイトル!
え? 中毒になるほどの「終活」って一体何をすることなの?
実に印象的なタイトルに凛は興味をひかれました。

次に、帯や表紙についてです。
一番目は、帯について。
凛が購入した初版本の文庫本の帯の表表紙側には、「最高の最期(エンディング)のはずが」
「まさかのどんでん返し⁉」
「人生の残り時間、あなたはどう生きる⁉」
「驚愕&感動の〈終活〉ミステリー!!」(以上、同帯)

帯の裏表紙側には、書評家の青木千恵(あおき ちえ)氏からのメッセージが、文庫本の解説から抜粋されています。
「主人公にも読者にも予測がつかない状態で展開し、着地がどうなるのか知りたくて、引き込まれる。」(同帯)

二番目は、表紙について。
まずは、表紙のデザインから。
水色をベースに、右側に白髪の女性が右側に向けて立っています。
女性は横顔で、眼を閉じて無表情。
白いユリの花数輪を胸の前に持ち、濃い茶色の服を着て、スラックスも同系色のもの。

対して、左側にはこの女性の影ともいえるシルエットが対比的に描かれています。
シルエットは黒と灰色の濃淡で描かれています。
顔は左側を向いていますが、表情は全く見えません。
白いユリは黒い色になっています。
まさに、この女性の心の裏側を描いたとも思える、意味深なデザインとなっています。

カバーデザインは、岩瀬 聡(いわせ さとし)氏です。
カバーイラストは、太田侑子(おおた ゆうこ)氏です。

次は、裏表紙のメッセージから。
水色の目立つ大きめの文字で、「遺言、片付け、まさかの復讐!? こんな終活、嫌ですか──?」
黒色の文字で、「ゾッとする終活、理想的な終活、人生を賭けた終活…4人の〈終活〉に待ち受ける衝撃&感涙のサプライズとは?」(文庫本、初版)

「終活」を巡るあらゆる事情が描かれていることが想像できます。
内容がものすごく気になるではありませんか!
これは是非とも読まないと!
凛は書店のレジに向かいました。(^O^)

それでは、内容に入ります。
文庫本3頁のContentsには、収められている4編の短編小説のタイトルが書いてあります。

「SDGsな終活」
「最後の終活」
「小説家の終活」
「お笑いの死神」

文庫本の解説は、帯にも掲載されている青木千恵氏です。

今回は2番目に収められている短編小説「最後の終活」についてご紹介します。
妻を交通事故で63歳で亡くした夫と息子との話です。
結構「あるある!」と巷にあふれていそうな話と思いきや、どんでん返しの面白さがあります。( ;∀;)

突然逝ってしまった妻の遺影を前にして、どうしたものかと途方に暮れる夫。
夫が在住している「たかの市」(同書、74頁)の防災チャイムが鳴り、「迷い人」(同書、同頁)の高齢女性についてお知らせするアナウンスが流れてきます。
「防災行政無線」(同書、同頁)から、たかの市も既に高齢化社会に突入していることが読者に明確に伝わります。

妻の遺影の前でため息をついていると、息子の広海(ひろみ)(同書、76頁)が登場します。
和室の畳の張り替えのために父と息子は座卓を移動しなければならないのですが、父親のほうは息子が幼かった頃の思い出がよぎってしまい、結局休憩をとることになります。

亡き妻と息子は仲が良くて、息子が東京の大学に入学した以後も妻が上京して交流していたようです。
妻の死後、息子と父は疎遠となってしまいました。

この息子からは「一切の連絡がなくなったのだった」のですが、「それが三日前、突然帰って来た。」(同書、79頁)のでした。
息子が帰ってきた理由は、「そろそろ三回忌だから」(同書、同頁)ということでした。

息子は、母親の三回忌を前にして、実家のリフォームをすることを父親に主張します。
息子はリフォームに関する情報はネットで調べて、「オンライン限定割引」や「BtoCで直(じか)に契約できるのが魅力だよ」(同書、83頁)などと高齢者には意味不明なことばかり述べるので、父親は驚きをもって息子に関心するばかりです。

息子は、リフォーム業者の出入りの用心のために、金庫などもネットで即座に購入します。
亡き妻の着物の処分については、買取業者には気を付けよ、と息子は父親に詳細な説明をします。
息子がこの先に進んで良いことと、悪いことを明確にわかりやすく教えてくれるので、父親としては頼りになれる息子の存在が大変ありがたいのでした。

この息子と父親との関係、果たして大丈夫かなあ、といささか危なげな感じがしますよねえ。
こう思って読み進んでいる読者の皆さん、この後、新たな展開が!( ゚Д゚)

「──あたし、ヒロミです。」(同書、92頁)という女性の声で電話がかかってきたのです。
「あのねえ、うちのヒロミは男ですよ」(同書、同頁)と応対する父親。
父親は荒く受話器を置いてから、「おい、詐欺だぞ、詐欺!」(同書、同頁)と息子に言うと、息子の広海は苦笑いして悠然としています。

さて、ここから二転三転するジェットコースターの展開に、読者がアッと驚く結末を迎えることになります。
よくありそうだな~と思われがちな話から、読者の予想を裏切る結末。

あとは、あなたが読まれてからのお楽しみに! \(^o^)/

著者の秋吉理香子氏は、2008年、短編小説「雪の花」第3回Yahoo!JAPAN文学賞を受賞されました☆彡。\(^o^)/
この作品は、2009年、短編小説集『雪の花』のタイトルで小学館文庫から刊行されています。
また、2009年に、テレビ朝日からドラマ化されました。

さらに、2013年に双葉社から刊行された小説『暗黒女子』(のち、双葉文庫、2016年、双葉社ジュニア文庫、2017年)は、2017年に映画化されました。
漫画化された作品もあり、今後、ますますのご活躍を期待できるミステリー作家のお一人です。(^^)v

最後に。
「終活」が流行しているこの日本で暮らしている人々の日常について、読者に新たな視点として着目させた秀逸な短編作品集です。
著者の秋吉理香子氏による幾重にも重なるミステリー作家としての力量が活かされています。
ミステリーとはいっても、背筋が凍り付く作品もあれば、読後に心が温まる作品も収められています。

登場人物のそれぞれの立場で考えてみると、各作品の結末の捉え方は違って当然でしょう。
つまり、受けとめ方はあなた次第ということですね。

「終活」の流行は、人々が日常の不安感にさいなまれている証拠かもしれません。
「終活」という概念に恐れおののきながら生きていくありさまはいかがなものでしょうか。
しかしながら、今を生きる自身の人生を整えるための「終活」はやはり大切にしたいものです。

人生を楽しく! \(^o^)/
あまり難しく考えずに、シンプルにすすめていけたらいいなあ、と考えている凛です。
甘い!と言われそうかなあ……。(^▽^;)

読書の秋。
あなたも読書ライフを楽しんでくださいね。

今夜もあなたにおすすめの一冊でした。(^O^)/

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秋吉理香子(著)実業之日本社(2025/06発売)
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2025年6月9日月曜日

「暮らしをととのえる」ための覚悟とは ~阿部暁子『カフネ』(講談社、2024年)~

こんばんは。南城 凛(みじょう りん)です。
今宵も凛のりんりんらいぶらり~にようこそお越しくださり、ありがとうございます。
お休み前のひとときに、本の話題でごゆっくりとおくつろぎくださいませ。(^-^)

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

早くも2025年の前半期も今月で終わります。
月日が経つのは本当に早いものですね!(^-^)
梅雨の前線も北上中です。
近年は大雨になったり、いきなり真夏日になったりと激しいお天気のイメージが定着しています。
体力の維持が求められますね。 
あなたはいかがお過ごしでしょうか。

さて、今春4月9日に発表された2025年本屋大賞の作品はあなたは読まれましたか?
発表前から候補作品が書店の店頭にも並べられていたので、それぞれの本を手に取ってみられた方も多かったのでは。
本屋大賞については凛が時折聴いている地元のラジオ放送の本紹介のコーナーでも話題に上がっていて、とても気になっていたのでした。

今回ご紹介いたします作品は、今年の本屋大賞受賞で話題の阿部暁子(あべ あきこ)氏の長編小説『カフネ』(講談社、2024年)です。
この作品は、単行本のみの刊行となっています。

物語の前半と後半とでは、登場人物たちの生き様を通して、主人公の女性の世の中の見方や思考、生き方に対する価値観が大きく変わる物語です。
主人公の視点が変わっていく過程が丁寧に描かれています。
読んで良かった~~\(^o^)/と心から願いたい読者のためにおすすめしたい作品です!

また、お料理を作ったり、あるいは食べることが大好きな方、部屋の片づけやお掃除が好きな方はもちろんのこと、これらのことに興味がある方には是非おすすめです。
もちろん、お掃除や、お料理を作ることが全然得意ではない方にもおすすめですよ~ (^O^)

はじめに、この単行本の入手についてです。
凛は本屋大賞の発表後に、自宅から30分ほど歩いた大手の書店から購入しました。
凛が持っている単行本は、2024年4月3日付の第11刷発行です。
初版が2024年5月20日付ですので、多くの読者に読まれているのがわかりますね。

次に、帯や表紙についてです。
一番目は、帯について。
当然ですが、本屋大賞受賞発表後の購入なので、帯の表表紙側には、黄色い帯に赤い太文字で「本屋大賞受賞」と書かれています!
黄色と赤の組み合わせは目立ちますよね~ (^O^)
その文字の上には、「『おいしい』と泣くことから再生は始まる。」
「人生のお守りになる食が繋ぐ愛の物語」(同書、帯)

帯の裏表紙側には、「別れ、喪失、荒れた部屋。どん底でもおなかは空く。」(同書、帯)
確かに、人はどんな状況におかれていても、食べなければ生きてはいけません。
やはり食べることが最優先ですよね!

帯の裏表紙側には、最上段の白い部分に「友達でも恋人でも家族でもないけれど、ただあなたの髪を撫でたい。」と書かれています。
黄色の地の下の部分には赤い文字で「『元気をもらった』との声多数!大切な人を抱きしめたくなる物語」と。(同書、帯)

二番目は、表紙について。
全体的にチョコレートブラウンのような落ち着いた色合いで、木のテーブルの上に、白いティーポットと白いカップ、ガラスのミルク入れ、白いお皿にはチョコレートケーキのようなデザートを食べた後のお皿とフォークの写真になっています。
奥には観葉植物らしき植物が置いてあり、柔らかな光がのどかな雰囲気を包んでいるようです。
ゆったりとくつろいでいる午後のひとときといった感じでしょうか。

表紙の上のほうに金色の文字で「カフネ」と横書きのタイトルが出ています。
真ん中には白い文字で、今度は縦書きで著者の名前の「阿部暁子」の文字。

そもそもタイトルの「カフネ」とは何のこと?
という素朴な疑問がおこりますよね。
凛の持っている本の帯の表表紙側には、「カフネ──愛する人の髪に指を通す仕草」と書いてあります。

この表紙を外すと、モスグリーン色の地に、調理道具のフライ返しとへららしきものが金色で描かれています。
作中で活躍するアイテムなので、読者へのメッセージがこめられています。

カバー写真は、写真家のNana*(ナナ)氏です。
装丁は、岡本歌織(next door design)(おかもと かおり)氏です。

それでは、内容に入ります。
読まれる前の読者には「覚悟」をもっていただきたいですね。
何故ならば、「食」を中心にした癒し系の物語、あるいは女性陣が大好きな甘いスウィーツの物語、または片付けなどの家事関係の話なのかな、といったイメージで読みだすと、とんでもなく遠い世界にあなたを連れていってしまうことになるからです。
他人には言えない人生の生き辛さが、これでもか、これでもかと出てきて、人によっては息苦しくなって読み辛くなるかもしれません。

あらすじです。
主人公の女性の野宮薫子(のみや かおるこ)の弟、春彦(はるひこ)が急死し、その弟からある日、薫子の元に宅配便が送ってきました。
何故に亡くなった弟から?とミステリーの要素を含んだ設定になっています。

亡き弟の遺志による遺産相続の件で、薫子は彼の元恋人の小野寺せつな(おのでら せつな)とカフェで会いますが、彼女とは初対面ではありませんでした。
初めて出会ったときから、薫子はせつなには良い印象をもっていませんでした。

常に上から目線でせつなと対峙する薫子。
負けじと無愛想な態度をとるせつな。
春彦からの遺産相続を断わるせつなに対して、薫子は態度をさらに硬くします。

カフェで薫子はせつなを前にして突然倒れてしまいます。
薫子の自宅マンションの部屋まで送り届けたせつなから、「お茶はいりません。それより、お姉さん、お昼は食べましたか?さっきのカフェでも飲み物しか頼んでませんでしたけど」(同書、28頁)と問われます。
薫子が黙っていると、せつなから「冷蔵庫、見ていいですか」(同書、同頁)と訊かれます。

薫子が返事をする前に、冷蔵庫を「遠慮なしに各段の扉を開けて、じっくり中をのぞいた」(同書、同頁)せつなは、「このへんの食材、勝手に使わせてもらっていいですか」(同書、同頁)と言って、あれよという間に豆乳とコンソメとツナ缶とトマトでスープを作って、ゆでた素麺にかけて薫子と二人でいただきました。
美味しかったのでしょうねえ。
涙であふれた薫子には「やさしい味がしみて、痛いほどしみて、もう耐えられなかった。」のです。(同書、32頁)(T_T)

せつなは『カフネ』という家事代行サービス会社に所属しており、依頼者宅に行ってお料理を作り提供しています。
薫子は供託管として、東京法務局の八王子市局に勤務している公務員です。

せつなとの関係はほぐれることのないままでしたが、薫子は休日に『カフネ』で家事代行サービスの掃除係をボランティアで手伝うことになります。
料理担当のせつなと共に、様々な家庭の事情を目にすることになった薫子でした……。

貧困家庭、格差社会、高齢者、介護、人間関係、親子関係、きょうだい、結婚、不妊、孤独、仕事、学校、離婚、再婚、単身、性差、健康、病気、難病……。
法務局では相談者からの法的な手続きを担当しており、社会的な対応をしてきたのだと自負があった薫子でした。

しかし、薫子はせつなと組むことで、『カフネ』を通して初めて知る異常に歪んだ社会の面々に触れます。
それらは、薫子が勤務している法務局や、これまで当然として捉えていたシステム化、細分化、透明化された社会とは異なる価値観が渦巻いている世界だったのです。(-_-;)

この作品には、登場するどの人物たちもそれぞれに困難な事情をもっています。
個々が抱えた事情を紐解きながら、物語は進んでゆきます。
後半になると、読者の価値観は前半とは全く異なる目線に気づくことになるのです。
亡き弟、春彦のことについても……。

後はあなたが読まれてからのお楽しみに。 (^O^)

著者の阿部暁子氏は、2008年、短編小説『陸の魚』cobalt短編小説新人賞を受賞☆彡。
同年、小説『いつまでも』第17回ロマン大賞を受賞☆彡されました。
そして、今年の本屋大賞受賞です☆彡☆彡。 \(^o^)/
今後、最も期待される小説家のお一人です!

最後に。
「暮らしをととのえる」
簡単なことのように思えますが、実は大変難しいことなのだということがよく伝わる作品です。

せつなが勤務する家事代行サービス『カフネ』で、片付け担当として、料理担当のせつなと組むことになった薫子には、さまざまに困難な事情を抱えた訪問宅の人々との交流を通して、彼女の視点に変化が訪れます。
お料理を作る、また食べることの力とはいかに偉大なのでしょう。
食材を活かすことの大切さに気づかされます。
部屋の片付けも同じことですね。
薫子とせつなとの関係性は、『カフネ』で輝いて欲しい!と凛は願うばかりです。

薫子は、後半になるにつれて心身とも力強く、頼もしく、そして、人に優しい大人の女性に成長します。
凛には、283頁で薫子が発した言葉、これにはウルウルと感動しました!(T_T)
もしも凛が薫子の立場だとしたら、相手にこの言葉が言えるかなと。

以前にも書きましたが、これまでの凛は、話題の作品はすぐには読まずにしばらく様子を見るか、または文庫本になるまで待ってから読むことが多かったです。
この頃は、話題の作品は単行本で読みたくなることもしばしば。
評価が高い作品は、文庫本になるまで待てなくなってきたんですよねえ。
「時間」と「欲」との関係でしょうか……。 (^^;

お料理に例えると、美味しいおかずから先に食べるのか、それとも美味しさは最後に味わうのか。
さて、あなたはどちらのタイプですか?

今夜もあなたにおすすめの一冊でした。(^O^)/

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阿部暁子(著)講談社(2024/05)発売
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2022年4月9日土曜日

自分軸でいいんだね  ~群ようこ『老いと収納』(角川文庫、2017年)~

こんばんは。南城 凛(みじょう りん)です。
今宵も凛のりんりんらいぶらり~にようこそお越しくださり、ありがとうございます。
どうぞごゆっくりとおくつろぎくださいませ。(^-^)

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

大変長らくの間、ご無沙汰いたしました。
私的な事情により、凛のりんりんらいぶらり~を5ヵ月以上もお休みさせていただきました。
この期間に訪れてくださった皆さま、ありがとうございました!
凛は感謝の念でいっぱいです!! (T_T)
これからも細々と続けていきますので、何卒よろしくお願いいたします。m(_ _)m

2022年も4月半ば。
日本では春の桜前線も北上しています。
世界情勢にも変化が表れております。
あなたはいかがお過ごしでしょうか。

凛は昨秋から年末年始、年明け後も続けて忙しく過ごしておりました。
凛の身辺に様々な変化が起こりまして、環境を整えるために遠方との往復の移動、移動先での片づけなどがあったからです。
そのため、この数か月の間、読書の機会はほとんどありませんでした。

最初は義務感で動いていましたが、移動先で片づけをしていたある日のこと、凛はハッと自身とモノとの関係を問う衝動にかられました。
モノを捨てずに増やし続けることへの疑問。
モノとは何のためにあるのだろう?
暮らしにおけるモノとの向き合い方とは?

そこで、収納に関する本や雑誌を読んだり、YouTubeで配信されている整理収納のプロのアドバイザーさんたちだけでなく、一般の配信者の方々の動画を集中して観ました。
ルームツアーやデスクツアーなどの動画を拝見し、「綺麗だなあ!すっきりしているなあ!」とうっとりと眺めておりました。

一日に1個を捨てる。
1個買ったら2個捨てる「1in2out」などなど。

さらに、収納グッズを扱っているお店を何軒も見て廻りました。
ネットでも様々な収納グッズを見て、メジャーでサイズを測りながら、あれこれと考える時間をもちました。

ブログでは以前にも「断捨離」(ブログはこちらから!)のタイトルでご紹介いたしておりますように、凛も当時に片づけはしていたのですが、やはりモノは増えていくものなのですよね…… (-_-;)

今回は、暮らしとモノとの関係をより深く考えました。
凛は、モノに支配されずにシンプルに暮らしたいな、と自身の持ち物の取捨選択を徹底的に行いました。
家具などの粗大ごみを数点処分しました。
衣類、靴、バッグ、傘だけでなく、不要な家電品、文具や小物類なども大幅に処分しました。
収納を変えて、部屋全体をシンプルに整えました。

本棚も大幅に見直しました。
単行本・文庫本・雑誌など未読も含めて630冊以上、3段階に分けて、ネット買取にて処分いたしました。
DVDやCDも数十点もネット買取業者に出しました。
必要とされる方々のために、次のステージで活かされますように、という願いを込めて。

モノを処分し、片づけを行なって、凛の気持ちに変化が生じました。
以下5点の視点から、切り替えができました。 (^o^)

1.部屋に空間ができて、空気の流れがよくなったこと。
2.全体の量がわかるため、俯瞰してモノの管理ができるようになったこと。
3.どんよりした空気感に覆われていたモノからの重圧がストンと抜けて、カラダもココロも軽くなったこと。
4.「買わなければ!」「買い物に行かなければ!」という脅迫観念や欲望から解放され、まずはひと呼吸して、落ち着いて行動するようになったこと。
5.モノに支配されず、自分軸で考えるようになったこと。

漸く落ち着きを取り戻し、さて何を読もうかと凛の本棚から選んだ本をご紹介します。
群(むれ)ようこ氏のエッセイ『老いと収納』(角川文庫、2017年)です。
この作品は書き下ろしです。

厳選して残した本たちの中から、この本のタイトルが目に飛び込んできました。
「これだ!」とビビビと読書脳のアンテナが反応しました。
片づけした後なので、おさらい篇として位置付けるのもいいし、また新たな発見があるかもね、と思ったのです。

5年前に出版された文庫本です。
初版が2017年の1月25日発行で、凛が持っている本は第3刷で初版と同年の3月10日発行ですから、当時如何にこの本が人気があったのかがわかりますよね~

凛の文庫本、第3刷の帯の表表紙には「不要品は思いきって捨てた。」と表記されています。
表表紙には、群氏と思われる女性が箱(部屋かも?)の中心にいて、電気スタンドや洋服、バケツにバッグなどの彼女の周囲に溢れているモノたちに対して、さてさてこれからどのように処分しようか、と思いあぐねている様子がうかがえます。

表紙のカバーイラストは、古谷充子(ふるたに みちこ)氏です。
カバーデザインは、坂詰佳苗(さかづめ かなえ?)氏です。

このエッセイは、マンションの大規模修繕工事を機に、必然的にモノを捨てることから始まります。
60代になられた群氏が、これまで所有してきたモノたちと丁寧に向き合い、処分することに目覚めていく心理と、実行の過程が描かれています。

目次は、処分するアイテム別になっていて、「衣類」や「キッチン」などあなたの気になる箇所から読まれてもよろしいかとも思います。

不要品を処分してきた身としても、同じ女性としても共感できるところが多々ありますね。
例えば、肌着や靴下などは具体性があって興味深く読みました。
これまで所持していた肌着の枚数を種類別に明記されていて、非常に具体性があります。(81頁他)

群氏が処分された品物リストが最初のほうにずらりと出ています。(30頁~33頁)
「こんなに!」と驚く数の品々。
さすが、売れっ子作家!結構お高いモノもありそうですよ~

凛との生活レベルが決定的に異なるなと思ったのは、着物ですね。
群氏のお召しになられるお着物はいかほどなのかなと。
凛も着物は持ってはいますが(ほんの少しですが)、普段に着ることはほとんどないですものねえ。(^-^;

このエッセイの中で度々登場する「とにかく所有物を少なくする運動」(78頁他)をお一人で続けていらっしゃるという群氏のお友だちの言動がとても爽快です!
群氏もご愛用のモノを処分することに逡巡されますが、このお友だちの言葉ではたと迷いがとれたりすることがあるのです。
なるほど、これだけの数でいいのか、と凛も納得できました。
特に、冠婚葬祭などで着用するストッキングのストックに関(@_@。しては、「ええっー!」と目から鱗の状態でした。(@_@。

群氏のプロフィールについては、二度目の登場ですので、省略させていただきます。
前回の説明は、ここ!です。

あなたも群氏と一緒にモノと向き合ってみませんか。
名立たる作家の暮らしをちょいと覗いてみるのも楽しいでしょう。
もちろん手放さずに残されるご愛用のモノたちもありますよ~

若いうちはカラダも元気なのでモノを処分するのにキビキビと動けると思いますが、この先、老いることを考えると次世代に多くのモノは残せませんね……。
処分するモノと残すモノの基準も年々変わっていくと思います。
捨てる、処分することに対しての後ろめたさや罪悪感、申し訳なさをきっぱりと捨てましょう。
モノに対する「執着」という概念を捨てて、「欲望」と闘い、自身の今に必要なモノを取り入れる「自分軸」でいきましょう!! (^_^)v

悲しいかな、放っておくとどんどんモノは増え続けてゆきます。
既に新たな本が欲しくなってきている凛です……。(*'▽')
「わ~い!部屋に空間ができた!」と安心せずに、これからもチェックしていかなければ、と凛も新たに決意した次第です。

今夜もあなたにおすすめの一冊でした。(^-^)

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2021年3月16日火曜日

お墓について考えてみる ~堀川アサコ『ある晴れた日に、墓じまい』(角川文庫、2020年)~

こんばんは。
南城 凛(みじょう りん)です。
今宵も凛のりんりんらいぶらり~にようこそお越しくださりありがとうございます。
どうぞごゆっくりとおくつろぎくださいませ。(^-^)

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

唐突ですが、今回はお墓についてのテーマです。

あなたは人生の終着駅をどうしたいのか決めていらっしゃいますか。
あなたが現在健康そのもので、何ら先行きに不安がなければ、あれこれと考える機会は少ないかもしれません。
ところが、あなたご自身が健康を害されたときや、ご家族などに変化が生じた場合、これまでの安定した関係性が崩れる可能性が起こり得ることが考えられます。

凛の周辺には、最近は家族葬や直葬のお葬式が増えているようです。
それから、親戚が集まる法事も少人数で簡素化される傾向になっています。
少子・高齢化の影響で空き家が増えていますし、お墓の管理も大変になってきました。
お墓が遠方にありますと、なかなかお参りに行けないという話も耳にします。

最近は「終活」が盛んになってきましたね。
葬儀だけでなく、お墓も本人やご家族が元気に生きている間に納得いくような形で進めたいと願う方が増えています。
宗教観や倫理観、土地やご親族の慣習などがありますので、皆が納得できるようにまとめるにはさまざまなことを克服しなければならないのが現状でしょう。
これは中高年以上の方々の課題だけではなく、若い方にも当てはまることに普段はなかなか気づきません。

昨年、凛はとっても大切な友人を病気で失いました。(T_T)
今まで彼女の存在が当たり前のように思っていただけに、喪失感がとても大きいです。

凛は今のところ不自由なく動けていますが、いつ、どこで、どうなるかは誰にもわかりませんよね。
それだけに健康でいるときにこそ、人生の終着駅をどのようにするのかを考えてみるのは必要なことではないでしょうか。
それが大人としての必須条件ではないかと思う今日この頃です。

後のことは残った人が自由に決めればよい、ということではないでしょう。
このようなとても大切なことを、亡くなった友人が教えてくれているのだなと思っています。

決して今すぐに結論を求めなくてもよく、漠然とした輪郭だけでもよいと思います。
時が過ぎてゆく中で、凛を巡る環境も、自身の気持ちにも変化が生じて、価値感も変わることも考えられます。
納得できる候補としていくつかあげて、条件を満たすものを選択するという方法もありますよね。

人生の終着駅に対して、具体的には、お墓をどうするのかについて、まだ考えていらっしゃらない方や、これから考えたい方、また、現在悩んでいらっしゃる方におすすめの小説があります。

凛が今回ご紹介いたします本は、堀川アサコ(ほりかわ あさこ)氏の小説『ある晴れた日に、墓じまい』(角川文庫、2020年)です。
この小説は、書き下ろし作品です。

とてもわかりやすいタイトルですね。
バツイチの44歳の古書店を経営する女性が、乳癌の摘出手術後に、実家のお墓を整理するというお話です。

この本とは、いつもの近所の書店で、昨秋頃、文庫本の新刊コーナーで出合いました。
凛はこの本を購入してからすぐには読まずにいましたが、春のお彼岸を前にしたからなのか、急に読みたくなりました。

文庫本新刊の帯に「イマドキの家族小説!」と描かれていますように、いろいろな難題が彼女の前に立ちはだかります。
カバーのイラストは、茂刈 恵(もがり けい)氏で、主人公の正美(まさみ)さんを中心にして、彼女の周囲に5人と犬が1匹描かれています。
黒いワンピースを着ている正美の頭の上には「和」と刻まれているお墓が乗っているではありませんか!( ゚Д゚)
きゃああ~~!これ、まじでシビアだわ!(@_@。

ご安心ください。(^o^)
ホラー小説ではありませんよ~
正美の柔和な性格があるからか、全体的に穏やかでほっこりできる世界となっています。

正美さんの実家は小児科の医院ですが、頑固で気難しい父親が院長のためか、患者さんが非常に少ないです。
兄夫婦は父親と喧嘩して家を出て別の事業を営んでいますし、姉は障害者の施設に入居しています。
正美さんも兄夫婦と同様、実家の父親とは疎遠になっています。
ですから実家の医院の跡継ぎはいません。
ある日突然、この厳格な父親が急逝し、弁護士から父親からの遺言内容が言い渡されるのですが……。

タイトルや表紙のイラストからも想像できますように、現代日本のお墓を巡る事情を読者に伝えてくれます。
家族間のもめごとや、故人を巡る他者との関係があからさまに噴出します。
ご先祖様代々のお墓の移転に伴う様々な手続きなど、読者はやんわりした小説世界に浸りながら、情報として知ることができます。

作者の堀川アサコ氏は、深刻で暗くなりがちなお墓の話題を、ユーモアを交えた文体で、あっという間に読者をラストに導いてくれます。
読後は、爽やかな気持ちになり、正美さんの営む古書店の続編を願う凛でした。(^-^)
もちろん、正美さんの健康を願ってやみません。

堀川アサコ氏は、2006年、小説『闇鏡』(新潮社、2006年)で、第18回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞☆彡を受賞され、デビューされました。
小説『幻想郵便局』(講談社、2011年、のち講談社文庫、2013年)などの「幻想シリーズ」で人気があります。
他にも多数の作品をご執筆されています。

凛には亡くなった友人との思い出があります。
「私たち、これからが本当の人生よね。長くお付きあいしていこうね。ずっとお友だちでいようね」
と握手して、某駅の新幹線の改札口で見送ってくれた彼女の優しい笑顔が忘れられません。
彼女と一緒に温泉旅行に行きたかったなあ。
旅先で温泉に入って、美味しいものを頂いて、ひと晩じゅうお喋りしてみたかったなあ。

ちょうど日本は春のお彼岸入りを迎える時期でもあります。
ご先祖様に感謝して、「今」を元気でいられることが何よりもありがたく思います。

岐路に立たされたときにうろたえる前に、元気な間に終着駅をどうしたいのかを考えておくのもよいなあ、と思うこの頃の凛です。
そのうちに、いつか、な~んて言ってる間にあっという間に時間が経ちますものね。

今夜も凛からのおすすめの一冊でした。(^-^)

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(角川文庫)文庫2020/8/25堀川アサコ(著)
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2020年4月14日火曜日

断捨離

こんばんは。
南城 凛(みじょう りん)です。
今宵も凛のりんりんらいぶらり~でどうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ。(^o^)

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

あなたのお部屋は片づいていますか。

凛の部屋は、一端片づけても、またすぐにモノが増えてしまいます。(^-^;
衣類、お洒落をしたいためのアクセサリーや、ベルトや、マフラー、スカーフの他に、バッグ、靴……

本当にこれだけのモノが必要なのかしらと、疑問をもちながらも、商店街やモールやデパートなどを歩くと、煌びやかなディスプレイについ甘んじてしまっていました。
「限定品」「初上陸」「本日入ったばかりのお品で~す」「お似合いですよ~」
一体どれだけの甘い蜜に誘われたことでしょう。

また、最近の百円ショップはもうワクワクする遊園地の如く、あらゆる商品であふれており、蝶と化した凛はヒラヒラと舞いながら、あちらこちらの棚を楽しんでおりました。

それから、「セール」「期間限定」「半額」「本日のみの目玉価格」など、スーパーの食料品にも凛の眼はキラキラ輝いて、売り場に飛びついていました。

さらには、ネットサーフィンなどをするものなら、すぐに誘惑に負けてしまいそうです。

部屋には、これらのモノたちがどんどん溜まってしまいます。
凛が自ら持ち寄ってきたものであって、モノたち自身が、凛の部屋に、勝手に「お邪魔しま~す」と訪れてきたワケではありません。

「断捨離」☆彡何と輝かしい言葉でしょう!
世の中の趨勢にしたがって、凛も断捨離しなければと、強く思う次第です。

しかしながら、凛にはどうしても手放すことができないモノがあります。
それは本たちです。
凛には、本は大切な友人です。(^o^)

本には、様々な世界が繰り広げられています。
本の世界から、たくさんの情報が発信されています。

その世界に浸っている時間は実に楽しいものです。
本に描かれている世界で、凛は、俯瞰して全体を見下ろしたり、または、地上に降りて、主人公となって活躍したり、共に汗を流したり、共に泣いたりもします。
最後のページには、感動が待っていて、読む前と異なった自分に出会えて、再生した気持ちに浸ることができます。

お部屋をすっきりさせて、大好きな本たちを綺麗に並べていきたい!
積ん読ではなく、綺麗に整理整頓された本棚に並べられたら、本たちも気分爽快でしょう。\(^o^)/

すっきりとお部屋を片付けたい気持ちにさせてくれる本が、垣谷美雨氏の小説『あなたの人生、片づけます』(双葉文庫、2016年)です。

汚部屋で暮らしている女性の心の中、伴侶を亡くした後のご高齢の父を支える娘、贅沢が身についてしまった主婦、綺麗な訳アリのお家の中で何かが起きているお話……
これらのお家を、片づけ屋のエキスパートの女性が見事に解決していく様は、実に爽快です!

凛が気になったのが、全編を通して大活躍する片づけ屋の女性、大庭十萬里さんについてです。
この女性はどんな人生を歩んできたのだろう。
人の心理を見抜く力を如何にして養ってきたのだろう。
今後、彼女はどのように生きるのだろうか。
以上の点に着目しながら読み進めるのも、読書の楽しみです。

垣谷美雨氏は、2005年、第27回「竜巻ガール」で小説推理新人賞☆彡を受賞されました。
『竜巻ガール』(双葉文庫、2009年)でお楽しみいただけます。
垣谷氏は、ユーモアを交えながら、誰もが直面するであろう日常的なテーマを追求されています。

読後には、すぐに断捨離実行、間違いなしです!(^_^)v
凛も即座に実行いたしました。
そして、また大切な本の仲間たちが増えていきました。(^-^;

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