2022年4月9日土曜日

自分軸でいいんだね  ~群ようこ『老いと収納』(角川文庫、2017年)~

こんばんは。南城 凛(みじょう りん)です。
今宵も凛のりんりんらいぶらり~にようこそお越しくださり、ありがとうございます。
どうぞごゆっくりとおくつろぎくださいませ。(^-^)

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

大変長らくの間、ご無沙汰いたしました。
私的な事情により、凛のりんりんらいぶらり~を5ヵ月以上もお休みさせていただきました。
この期間に訪れてくださった皆さま、ありがとうございました!
凛は感謝の念でいっぱいです!! (T_T)
これからも細々と続けていきますので、何卒よろしくお願いいたします。m(_ _)m

2022年も4月半ば。
日本では春の桜前線も北上しています。
世界情勢にも変化が表れております。
あなたはいかがお過ごしでしょうか。

凛は昨秋から年末年始、年明け後も続けて忙しく過ごしておりました。
凛の身辺に様々な変化が起こりまして、環境を整えるために遠方との往復の移動、移動先での片づけなどがあったからです。
そのため、この数か月の間、読書の機会はほとんどありませんでした。

最初は義務感で動いていましたが、移動先で片づけをしていたある日のこと、凛はハッと自身とモノとの関係を問う衝動にかられました。
モノを捨てずに増やし続けることへの疑問。
モノとは何のためにあるのだろう?
暮らしにおけるモノとの向き合い方とは?

そこで、収納に関する本や雑誌を読んだり、YouTubeで配信されている整理収納のプロのアドバイザーさんたちだけでなく、一般の配信者の方々の動画を集中して観ました。
ルームツアーやデスクツアーなどの動画を拝見し、「綺麗だなあ!すっきりしているなあ!」とうっとりと眺めておりました。

一日に1個を捨てる。
1個買ったら2個捨てる「1in2out」などなど。

さらに、収納グッズを扱っているお店を何軒も見て廻りました。
ネットでも様々な収納グッズを見て、メジャーでサイズを測りながら、あれこれと考える時間をもちました。

ブログでは以前にも「断捨離」(ブログはこちらから!)のタイトルでご紹介いたしておりますように、凛も当時に片づけはしていたのですが、やはりモノは増えていくものなのですよね…… (-_-;)

今回は、暮らしとモノとの関係をより深く考えました。
凛は、モノに支配されずにシンプルに暮らしたいな、と自身の持ち物の取捨選択を徹底的に行いました。
家具などの粗大ごみを数点処分しました。
衣類、靴、バッグ、傘だけでなく、不要な家電品、文具や小物類なども大幅に処分しました。
収納を変えて、部屋全体をシンプルに整えました。

本棚も大幅に見直しました。
単行本・文庫本・雑誌など未読も含めて630冊以上、3段階に分けて、ネット買取にて処分いたしました。
DVDやCDも数十点もネット買取業者に出しました。
必要とされる方々のために、次のステージで活かされますように、という願いを込めて。

モノを処分し、片づけを行なって、凛の気持ちに変化が生じました。
以下5点の視点から、切り替えができました。 (^o^)

1.部屋に空間ができて、空気の流れがよくなったこと。
2.全体の量がわかるため、俯瞰してモノの管理ができるようになったこと。
3.どんよりした空気感に覆われていたモノからの重圧がストンと抜けて、カラダもココロも軽くなったこと。
4.「買わなければ!」「買い物に行かなければ!」という脅迫観念や欲望から解放され、まずはひと呼吸して、落ち着いて行動するようになったこと。
5.モノに支配されず、自分軸で考えるようになったこと。

漸く落ち着きを取り戻し、さて何を読もうかと凛の本棚から選んだ本をご紹介します。
群(むれ)ようこ氏のエッセイ『老いと収納』(角川文庫、2017年)です。
この作品は書き下ろしです。

厳選して残した本たちの中から、この本のタイトルが目に飛び込んできました。
「これだ!」とビビビと読書脳のアンテナが反応しました。
片づけした後なので、おさらい篇として位置付けるのもいいし、また新たな発見があるかもね、と思ったのです。

5年前に出版された文庫本です。
初版が2017年の1月25日発行で、凛が持っている本は第3刷で初版と同年の3月10日発行ですから、当時如何にこの本が人気があったのかがわかりますよね~

凛の文庫本、第3刷の帯の表表紙には「不要品は思いきって捨てた。」と表記されています。
表表紙には、群氏と思われる女性が箱(部屋かも?)の中心にいて、電気スタンドや洋服、バケツにバッグなどの彼女の周囲に溢れているモノたちに対して、さてさてこれからどのように処分しようか、と思いあぐねている様子がうかがえます。

表紙のカバーイラストは、古谷充子(ふるたに みちこ)氏です。
カバーデザインは、坂詰佳苗(さかづめ かなえ?)氏です。

このエッセイは、マンションの大規模修繕工事を機に、必然的にモノを捨てることから始まります。
60代になられた群氏が、これまで所有してきたモノたちと丁寧に向き合い、処分することに目覚めていく心理と、実行の過程が描かれています。

目次は、処分するアイテム別になっていて、「衣類」や「キッチン」などあなたの気になる箇所から読まれてもよろしいかとも思います。

不要品を処分してきた身としても、同じ女性としても共感できるところが多々ありますね。
例えば、肌着や靴下などは具体性があって興味深く読みました。
これまで所持していた肌着の枚数を種類別に明記されていて、非常に具体性があります。(81頁他)

群氏が処分された品物リストが最初のほうにずらりと出ています。(30頁~33頁)
「こんなに!」と驚く数の品々。
さすが、売れっ子作家!結構お高いモノもありそうですよ~

凛との生活レベルが決定的に異なるなと思ったのは、着物ですね。
群氏のお召しになられるお着物はいかほどなのかなと。
凛も着物は持ってはいますが(ほんの少しですが)、普段に着ることはほとんどないですものねえ。(^-^;

このエッセイの中で度々登場する「とにかく所有物を少なくする運動」(78頁他)をお一人で続けていらっしゃるという群氏のお友だちの言動がとても爽快です!
群氏もご愛用のモノを処分することに逡巡されますが、このお友だちの言葉ではたと迷いがとれたりすることがあるのです。
なるほど、これだけの数でいいのか、と凛も納得できました。
特に、冠婚葬祭などで着用するストッキングのストックに関(@_@。しては、「ええっー!」と目から鱗の状態でした。(@_@。

群氏のプロフィールについては、二度目の登場ですので、省略させていただきます。
前回の説明は、ここ!です。

あなたも群氏と一緒にモノと向き合ってみませんか。
名立たる作家の暮らしをちょいと覗いてみるのも楽しいでしょう。
もちろん手放さずに残されるご愛用のモノたちもありますよ~

若いうちはカラダも元気なのでモノを処分するのにキビキビと動けると思いますが、この先、老いることを考えると次世代に多くのモノは残せませんね……。
処分するモノと残すモノの基準も年々変わっていくと思います。
捨てる、処分することに対しての後ろめたさや罪悪感、申し訳なさをきっぱりと捨てましょう。
モノに対する「執着」という概念を捨てて、「欲望」と闘い、自身の今に必要なモノを取り入れる「自分軸」でいきましょう!! (^_^)v

悲しいかな、放っておくとどんどんモノは増え続けてゆきます。
既に新たな本が欲しくなってきている凛です……。(*'▽')
「わ~い!部屋に空間ができた!」と安心せずに、これからもチェックしていかなければ、と凛も新たに決意した次第です。

今夜もあなたにおすすめの一冊でした。(^-^)

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