南城 凛(みじょう りん)です。
今宵も凛のりんりんらいぶらり~にようこそお越しくださりまして、ありがとうございます。
凛とともにどうぞごゆっくりとおくつろぎくださいませ。(^-^)
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本がお好きなあなたは、お家でお過ごしされることも多いのではありませんか。
凛は、相変わらず読書にいそしんでいます。
日本では新型コロナウィルスの感染拡大防止のための緊急事態宣言は解除されました。
それにしても暑くなってきました。
マスクが鬱陶しくなりました。
今年に入って、世界を恐怖に陥れた新型コロナウィルスの感染拡大による影響で、日本からは外国人観光客が大幅に減りました。
観光地だけでなく、あらゆる街で、またはお店で、外国人の姿を見かけなくなりました。
あらためて、これまでインバウンドで如何に国内が賑やかになっていたかを実感することが増えました。
世界的なウィルスの感染状況の地図を見る度に、グローバルな世の中を認識せざるをえません。
人の移動が増えただけでなく、人と人との関係も国家という枠組みを超えて、新型コロナウィルスの感染という形で、私たち人間に対して何かを訴えているのではないかと考えさせられる今日この頃です。
凛は、日本人として日本で生まれて育ちました。
これまで他府県に転居を数回してきた体験では、県民性の違いに戸惑うこともありました。
外国を旅したことは多くはありませんが、一応日本から脱出して旅に出たことはあります。
「多様性」について、凛はきちんと向き合ってきたでしょうか。
或いは、直面することがあったでしょうか。
ふとこれまでの来し方を考えると、ほとんどそれは皆無に近かったのではないかと、凛は胸の奥が痛むのです。
何故に、凛は胸の奥が痛むのでしょうか。
凛は、表面では、人はそれぞれに違いがあると言ってきました。
個性を認め、人として考えが違うのは当然です。
頭では理解しているつもりで、言葉に出すのは簡単なことです。
しかしながら、果たして凛がとってきた行動は机上の空論ではなかったかと思うのです。
流行を少しだけ取り入れたファッションに身を包み、誰もが認める生き方を求める思考パターン。
それらが画一的である枠の中におさまっている安心感に浸っていたこと。
思考と志向との違いの垣根を曖昧にして、周囲に同調しながら、凛は何となく生きてきたように思います。
つまり、「多様性」について、頭で考えていることと行動とがかみあっていなかったのではないかと思います。
これまで何も疑問に思わず、当たり前として生きてきたことに対して、「ちょっと待てよ」と、自己を見つめ直す機会がありました。
それは、凛がかつてお世話になった英語の先生からおすすめだと大絶賛された一冊の本との出合いでした。
ブレイディみかこ氏のノンフィクション『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社、2019年)です。
2019年6月に刊行されて以来、瞬く間にベストセラーとなっています。
あなたも書店の店頭にこの本がたくさん並べられている光景をご覧になられたのではないでしょうか。
凛が書店で初めて見かけたときは、黄色い表紙に帽子をかぶっている男の子の絵がとても可愛くて、すぐに目に入りました。
本の緑色の帯には、黄色の文字で「一生モノの課題図書」と出ているのがとても気になりました。
凛が持っている本は、2019年11月刊行の第11刷です。
日本人として生まれ育ったブレイディみかこ氏は、息子さんと白い肌のご主人との三人で、英国で暮らしていらっしゃいます。
息子さんが進学した公立の中学校で日々直面する出来事を通して、息子さんとご主人と共に話し合い、考え、乗り越えていく姿勢が具体的な事実をもって綴られています。
ブレイディみかこ氏は、日本のメディアにも多く出演されていらっしゃるので、今後もますます多くの方に読まれていくでしょう。
「母ちゃん」「父ちゃん」などと親しみのある文章はとても読みやすく、読者への配慮が感じられます。
会話文も多く、自然体な言葉で描かれているからか、日本で中学生の男子を子育て中のご近所のママといった親近感があります。
凛がこれまで抱いていた英国という国家ですが、エリザベス女王や故ダイアナ妃、ビートルズ、それに世界史で学んだかつての大英帝国、古典のシェークスピア劇などによる伝統とは大きく異なる印象を突きつけられました。
階級社会、移民、人種、貧困、格差社会、アイデンティティ、教育システム、性差など。
あらゆる違いが「多様性」という言葉の中で、渦を巻いて、息子さんの前に現実のものとして大きく立ちはだかります。
そして、それらの問題をひとつひとつ真剣に考え、壁を乗り越えながら、成長する息子さんを見守っていく母親と、それを大きな視野をもって見守るご主人との三人のご家族との関係がとてもまぶしいほどの光を放っています。
凛の胸がとても痛んだのが、母親と息子さんの日本での出来事の場面でした。
みかこ氏の故郷の居酒屋で、日本語が話せない息子さんへのいら立ちを母親にぶしつけな態度であたった会社員、そしてレンタルビデオ店での店長の応対。
これらの場面は、凛ももしかしたら、この登場人物たちと同じ対応をしていたかもしれないと思ったからです。
みかこ氏からの指摘がなければ、凛には気づかない点でした。
「多様性」この言葉の答えは簡単には見つかりません。
体験しなければわからない大きな意味を含んでいるのではないでしょうか。
まさに地球規模の言葉でしょう。
しかし、「多様性」を用いるのは、良い意味ばかりではないとも凛は考えます。
簡単に答えが見つからないからこそ、あらゆる場面で用いられて、都合のよいように悪用される懸念も含まれているのではないかと危惧します。
例えば、企業が規模を拡大するとき、または縮小するとき、「多様性」という言葉を用いて社員を異動させたり、リストラさせたりすることなども想定できるからです。
それだけに、教育現場で子供たちの成長期に「多様性」について考える機会を与えることは必要なことであると凛は考えます。
「多様性」とは、画一的ではないことだけなのでしょうか。
それとも画一的であることも含めてもよいのでしょうか。
答えは、各人各様で求めていきましょう。
第2回Yahoo!ニュース│本屋大賞2019年ノンフィクション本大賞受賞☆彡、第73回毎日出版文化賞特別賞受賞☆彡、第7回ブクログ大賞(エッセイ・ノンフィクション部門)受賞!☆彡、キノベス!2020 第1位!☆彡などなど、まだまだ書ききれないほど多く受賞された本です。
黄色い表紙の男の子が靴の紐を触っている絵、これにはブレイディみかこ氏からのメッセージがこめられています。
その答えは本の中に書かれています。
書店にて、黄色い表紙の単行本はとっても目立ちますよ!
文庫本になってから読もうと思うのは、少し時間がもったいないように思います。
あなたにとっての「多様性」とは何かを考えさせらる本です。
新型コロナウィルス関連から地球全体を考えるよい機会です。
あなたもこの地球上の住民として、「一生モノの課題」と取り組みませんか。
あなたに是非おすすめしたい一冊です。(^o^)