2020年5月22日金曜日

本と踊ろう

こんばんは。
南城 凛(みじょう りん)です。
今宵も凛のりんりんらいぶらり~にお越しくださりありがとうございます。
どうぞごゆっくりとおくつろぎくださいませ。(^-^)

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

今宵も凛のりんりんらいぶらり~でおくつろぎくださっているあなたは、きっと本がお好きでしょう。

静寂な夜を迎えて、やすらぎを求めるひとときに、本を手にとり、ページをめくる心ときめく高揚感は、何とも表現し難い幸福感に包まれます。
また、活動時間の合間に、珈琲とともにほっとひと息つきながら、お気に入りの本の世界に浸るのもよいですね。

凛は、気ままに好きな本の世界を旅するのが大好きです。
書店に行くと、さまざまなコーナーがあって、どれを選ぼうかと、ゆっくりと見てまわるのが凛には楽しくてたまりません。\(^o^)/
その時間は、凛にとって、大切な、大切な、時間なのです。
誰にも邪魔されずに、たった一人で本たちと心の中で会話をしています。
凛は本との出合いの旅を求めて楽しんでいるのです。

目的もなく書店に入ったときに、実はよい出合いにつながることが多いですね。
最近は、インターネットサイト書店をふらりと訪れたら、あらあら、この本、とても気になって仕方がないですわぁと、思わずクリックしてしまうこともあります。
それもひとつの出合いでしょうね。

いずれにせよ、本たちが凛に「こんにちは」と挨拶をしてくれているのがよくわかります。
「凛さん、ボクの世界を読んで」
「ワタシの世界は、楽しめますよ」
「ワタクシの世界は、凛さんを退屈させません」
「オレの世界は、凛さんを釘付けにさせるから~」
「ワシの世界は、凛さんを唸らせること間違いなしじゃよ」

表表紙、裏表紙、背表紙、天、地、小口、奥付……。
本たちの表情を見て、声を聞きながら、触れる瞬間のワクワク感!

最近は、本があまり売れないとよく言われています。
本離れが進んでいるのでしょうか。
雑誌の休刊や廃刊も相次いでいますし、街の書店の閉店も多くて、本と触れ合う機会をもう少し増やしていただきたいと願う凛です。

凛がよく利用する書店にて、平積みされていた文庫本のタイトルに引きつけられて思わず手にしたのが、石川智健氏の小説『本と踊れば恋をする』(角川文庫、2019年)です。
書き下ろし作品です。

カバージャケットは、ハルカゼ氏のイラストです。
古書店にて男子高校生が一冊の本を手にして、棚のほうを見ています。

文庫本の初版の帯の裏表紙側には、同じハルカゼ氏のイラストで、男子高校生の十屋龍之介君と、古書店の店主の朝香裕也さんのことが紹介されています。
「全ての本好きに読んでほしい、ビブリオ・ミステリ登場!!」という表表紙側の帯のメッセージに、凛は思わずひかれてしまいました。

凛のアンテナが即座にピピピと反応しました。
「全ての本好きとは、凛も含まれるのかな。とても面白そう!」
思わぬ出合いから、新しい世界を知ることの喜びに繋がるのです。

本と踊るとは、どういうことを示すのでしょう。
新しい恋が生まれるのかしら。(^-^)

凛は電子書籍も読みますが、紙の本はとても好きですね。
当たり前ですが、古書店では紙の本を扱います。
セドリ、流通、サイン本、贋作本など、男子高校生の十屋龍之介君の活躍を通して、古書の世界を読者に教えてくれますよ。

もう一人、紅一点、古書探偵の深町吟子さんが活動的でとても魅力的に描かれています。
朝香裕也さんと深町吟子さんの二人のキャラクターが際立っていて、青春真っ盛りである十屋龍之介君の冒険譚でもあります。

贋作本にまつわる様々なエピソードを交えて、謎解きの面白さが展開されます。
作中で紹介されている文豪たちの作品は、まだ触れていない読者には読みたくなるような仕掛けが施されています。

贋作本の謎の解明と同時進行で文学の知識を得るという、まさに新しい感覚のビブリオ・ミステリーの世界を楽しめる作品です。
登場人物の三人の個人的な事情が少しずつ解けてはいきますが、まだ謎を残しています。
何やら続編が期待できそうな余韻があります。

石川智健氏は、お仕事と兼業で作家活動をなさっていらっしゃるようです。
2011年、小説『グレイメン』(エイ出版社、2012年)で国際的小説アワード「ゴールデン・エレファント賞」の第二回大賞を受賞☆彡、翌年、同作品が日本・アメリカ・韓国で刊行され、作家活動に入られました。

読後に、これから書斎に向かうときは、襟を正して、背筋をピンと伸ばさなければと、凛は思うのでした。(^_^)v

さあ、あなたも本と踊りませんか。
素敵な恋の出逢いがあるかもしれませんよ。
本が大好きなあなたに、是非お勧めしたい一冊です。(^o^)

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(日本語)文庫-2019/11/21石川智(著)
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2020年5月12日火曜日

話題の予言書を読みました

こんばんは。
南城 凛(みじょう りん)です。
今宵も凛のりんりんらいぶらり~にようこそお越しくださりありがとうございます。
どうぞごゆっくりとおくつろぎくださいませ。(^-^)

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

あなたはお家でどのようにお過ごしされていますか。
今年は新型コロナウィルスの影響で、世界中が困難な状況に追い込まれました。
凛も自粛要請の中、極力家の中で過ごしています。
凛は元々インドア派で、屋内での過ごし方には大きな変化はありませんが、やはり不安のない暮らしを望むのは人々の共通の願いでありましょう。

新型コロナウィルスに関する様々な情報が錯綜して、世界中の人々を巻き込んでいます。
感染症に対する異様な状況を伝えるマスコミやメディアに触れて恐れおののくばかりでは、ウィルスに負けてしまいそうです。
よく言われているのが「正しく、恐れる」という言葉。
人類が生きていく上で、ウィルスと絶縁することは不可能なことかもしれません。

今回の新型コロナウィルスは人々に様々な変化をもたらしています。
”STAY HOME”のスローガンのもとで、家の中で過ごすことの新たな取り組みに、これまでとは違った価値感を抱いた方もいらっしゃるでしょう。
「三密」「ソーシャル・ディスタンス」「手洗い・うがい」「消毒」など、これらのキーワードによって、日常の暮らしに取りいれることの大切さをあらためて認識させられました。

また、マスク不足に陥り、手作りマスクを創り出す人々の創意工夫には感心させられます。
それから、デマ情報による紙類などの物資不足に、新たな不安感を抱かなければならない時代を迎えました。

今度の新型コロナウィルス感染の状況に酷似しており、予言書とまで言われている作品があります。
高嶋哲夫氏の小説『首都感染』(講談社、2010年、のち講談社文庫、2013年)です。
致死率60%の恐ろしいウィルスが中国の雲南省で発生して、世界中の人々に感染し、ワクチンも薬もなく死に至らしめて拡大していく様相を、今から10年前の2010年12月に小説として発表されました。
講談社創業100周年の書き下ろし作品です。

20××年の6月、中国の北京市で開催されたサッカーのワールドカップの大歓声から物語は始まります。
しかし、この華やかなスポーツイベントの蔭では、恐ろしいことが起きていました。
中国の村がいくつもなくなるほどの強い毒性のあるウィルスが拡大していっているのです。
H5N1新型インフルエンザが世界中に猛威をふるいます。

日本人の元WHOのメディカル・オフィサー、感染症対策の専門家で、医師の瀬戸崎優司が主人公となって、日本のウィルス対策に取り組みます。
この小説は単なるウィルスに関するテーマだけではなく、瀬戸崎医師の人生の物語でもあります。
彼の周辺を取り巻く人物たちとの交流も描かれており、ウィルスを封じ込める対策の物語であると同時に、様々な出会いと別れを体験している主人公を魅力的に中心におき、読者を最後まで引きつけます。
そして、恋愛小説でもあります。

日本の首都東京にも強毒性のウィルス感染者が発生して、いよいよ東京を封鎖するという現実が突きつけられます。
官邸、官僚、WHO、ワクチン開発者、医療従事者、製薬会社などが抱える問題が整理されています。
瀬戸崎医師は彼らの間を往来して、自己の抱える過去に苦しみ、悩みながらも前に進むのです。
国民レベルでは、活動の自粛の要請を受け、個々人でウィルスを体内に入れないための努力をしなければなりません。

凛は、この作品と向き合っている時間は、まるで現実社会を活字で再認識しているのかと錯覚するほど、フィクションとノンフィクションが交錯するという独特な気分に陥りました。
ウィルスの基本的な勉強にもなりますので、是非お勧めしたい一冊です。

ところで、高嶋哲夫氏は預言者なのでしょうか?
この作品を10年前に発表するとは、なんて先見の明がある作家なのでしょう!

文庫本の解説の成毛眞氏(書評サイト・HONZ代表)によると、高嶋氏の作品の年表と実際に起きた自然災害が掲載されています。
そこには成毛氏を「未来のノンフィクション」(同書、580頁)として読ませたことが明記されています。

高嶋氏は、1979年に、日本原子力学会技術賞☆彡を受賞されています。
1994年に、小説『メルトダウン』(講談社、2003年、のち講談社文庫、2008年)で、第1回小説現代推理新人賞☆彡を受賞されています。
1999年には小説『イントゥルーダー』(文藝春秋、1999年、のち文春文庫、2002年)で、第16回サントリーミステリー大賞☆彡・読者賞☆彡のダブル受賞に輝いていらっしゃいます。
他にも受賞歴があり、大変ご活躍されています。

世界中が新型コロナウィルスの終息を願ってやみません。
このような現実の社会に、瀬戸崎医師のようなヒーローが出現して欲しいと願うのは、凛だけではないでしょう。

まずは手洗いとうがいの励行、マスクの着用、人混みを避けること、飛沫感染、接触感染などに気をつけること、コップやタオルなどの使い回しは避けること。
つまり、感染症にかかりにくするための衛生の基本を一人一人が守ることが大切であると、この作品を読んで再認識した凛です。
あなたと共に気をつけていきましょう。

次は一体、この日本や世界で、何が起こるのだろうかと、高嶋氏の近著の作品が大変気になる凛でした。(^o^)

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(日本語)文庫-2013/11/15高嶋哲夫(著)
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2020年5月2日土曜日

新鮮で美味しいサラダを求めて

こんばんは。
南城 凛(みじょう りん)です。
今宵も凛のりんりんらいぶらり~でごゆっくりとおくつろぎくださいませ。(^o^)

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

あなたは、サラダはお好きですか。

凛は、サラダが大好きです。
やはり、サラダは新鮮で美味しいものをいただきたいですね。
最近の凛は、手作りサラダに毎日挑戦しています。

まずは、水気をきって、シャキシャキと歯ごたえのするレタスやキャベツの千切り、サラダ菜、水菜などをベースにしています。
そして、大好きなトマトやミニトマトだけでなく、キュウリ、サラダホウレンソウ、薄く切ったカラーピーマンやパプリカなどを横に添えます。
このように、見た目にも色とりどりで新鮮なサラダをいただくと、身体の内側からみずみずしくなるような感覚になります。\(^o^)/

凛は、トマトのサラダが特に好きです!
新鮮でぷりぷりと熟したトマトをざっくりと切って、冷やしトマトのようにシンプルにお皿に盛りつけて、ドレッシングを少しだけかけていただきます。
それだけでとっても幸せな気分になれます。

ミニトマトも好きです。
ころころとして可愛らしいミニトマトを口に含んだときの甘みで幸福感に包まれる凛で~す。

凛は、トマトが子供の頃からとても好きでした。
暑い夏の夕方、麦わら帽子をかぶった額に汗をびっしょりかいて外から帰ってくると、手を洗ってから冷蔵庫に直行!
母が冷やしてくれた真っ赤なトマトを皮付きのまま丸ごとかじると、とてもみずみずしい香りが瞬時に口に広がっていきました。

そのときの感覚が今でも残っています。
加えて、トマトは水分補給にもなっていたのでしょうね。
とても懐かしい夏の光景です。(^-^)

デパートをはじめ、街の八百屋さんやスーパーマーケット、それから郊外のドライブコースにもなっている道の駅などには、日々新鮮な野菜がたくさん売られています。
最近では、インターネットサイトでも様々な野菜を求めることができるようになっています。

デパート、スーパーマーケットの野菜売り場やコンビニエンスストアなどでは、洗う手間なくいただけるカット野菜や、ポテトサラダ、かぼちゃサラダなどの袋入りのものも各種売られています。
これらの袋入り野菜は、お仕事などでキッチンに立つ時間がない方だけでなく、忙しい主婦や一人暮らしの方、高齢者の方々にも便利で、とても人気があります。

食事のときに、まずは野菜からいただこうとか、トマトに含まれるリコピンの抗酸化作用が健康や美容によいとか、または、荏胡麻油や亜麻仁油などのオメガ3脂肪酸をかけて摂取すると脂肪燃焼によいであろうなどと、健康に関する情報も日々更新されていますね。

サラダの上にかけるものも、オーソドックスなマヨネーズは不動の地位を保っています。
また、市販のドレッシングもブランドのものから、PB商品にいたるまでいくつもの種類があります。
中には手作りにこだわる方もいらっしゃるでしょう。

調理方法も、生で食するだけでなく、蒸し野菜も人気が出ています。
それから、鶏肉を用いたチキンサラダも各種あります。
また、豚肉をゆでてしゃぶしゃぶサラダにしたり、牛肉を焼いてお洒落なステーキサラダとして、動物性蛋白質を摂取するサラダにも人気があります。
さらに、マグロやスズキなどのお刺身と一緒に、和洋折衷に粋にいただいたりするなど、実に様々な食べ方がありますね。
あるいは、豆腐や豆をトッピングして、植物性蛋白質の摂取もいたします。

サラダ王国ともいえる日本の食の現状に問題提起をしているのが、篠田節子氏の長編小説『ブラックボックス』(朝日文庫、2016年)です。

篠田氏は、食品の流通、ハイテク工場のあり方、農業に対する考え方、外国人研修生、外国人の雇用と労働、消費者の心理と動向など、日本の社会が抱える食にまつわる問題を様々な角度から踏み込んでいます。
また、主人公の女性としての生き方や、考え方にも特質性をもたせています。
主人公は、東京でキャリアを重ねて仕事を中心に生きてきましたが、事情があって地元に帰り、夜のサラダ工場で働くことになった女性です。

凛は、主人公の仕事や老後に関する捉え方が浮き彫りにされていく中で、強さと脆さを併せ持った彼女が、自身に課された問題をどのようにして切り拓いていくかについて、興味を抱きました。
彼女の学生時代の同窓生の生き方と考え方にもそれぞれに違いがみられます。
登場人物の各人におかれている環境と、複雑な心理状況とを巧みに絡ませながら、物語は進みます。
読み終えると、作品の題名の意味に「なるほどそうか!」と頷けます。(^_-)-☆

篠田節子氏は、1997年、『おんなたちのジハード』(集英社、1997年、のち集英社文庫、1997年)で第117回直木賞☆彡を受賞されました。
ミステリーだけでなく、様々なジャンルに挑戦されています。
多くの作品において問題提起が巧みで、そのリアルさに、読者は最後の頁まで引きつけらます。
2020年春、紫綬褒章☆彡を受賞されました。

「新鮮で美味しいサラダをいただきたい!」
サラダがお好きなあなたには、篠田氏のこの小説で食に関する世界を探求されることをお勧めいたします。
そして、この作品の存在についてご一考されてみてはいかがでしょうか。(^o^)

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(日本語)文庫-2016/9/7篠田節子(著)
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